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お知らせ 食物栄養学科

【食物栄養学科】実験実習紹介⑥ 2年次後期 食品衛生学実習

 食品衛生学実習では、栄養士・管理栄養士にとって重要な食品衛生の基礎を学びます。具体的には、手指及び食器洗浄に関する衛生管理、食品の品質・添加物等の理化学検査の方法や食中毒事例を用いたマスターテーブル法などについて学修します。その他、食中毒の原因となる微生物の特徴や微生物検査等について実験を行い、その結果に基づいて食品の安全性を十分に理解し、食品衛生について正しく判断できる力を身につけていきます。

 

 今回の授業では、衛生管理手法実験の「調理室及び手指の細菌検査・食器残留物試験・洗浄剤試験」について実習を行いました。

 給食の運営・提供にあたっては、HACCPや大量調理施設衛生管理マニュアルなどに従って調理を行い、食中毒発生防止に取り組みます。しかしながら、十分に注意したつもりでいても、実際に給食を提供する現場において食中毒が発生してしまうことがあります。そのため今回の実験では、食の安全や食中毒発生予防の観点から、調理室での食品衛生についてさらに詳しく理解を深め、適正な知識を得ることを目的に実習に臨みました。

 実習で学内の調理実習で実際に使用している調理機器等からの大腸菌群と黄色ブドウ球菌の検出のための【フードスタンプ細菌検査】、食器の洗い残しはないか判定する【たんぱく質・脂質・でんぷん及び食器洗浄残留試験】、そして手指洗浄の適性判断を行うチェッカーローションを用いた【手指洗浄実験】の3つを行いました。

 

 実習の様子やその結果は以下に写真で示します。今回の結果を踏まえ、学生には実際に自分が栄養士として現場での給食及び栄養管理に携わったときに、「安全に食事を提供するためにはどういったことに注意すべきか」、「食中毒を起こさないための調理師など多職種の方々との関り方」や「衛生指導にはどのように取り組むべきか」などについても学んでもらいました。

 実習後には、追加の調べ学習やレポート提出を行います。学生レポートには各々の多種多様な意見や感想が記述されており、それらの記述からは食品衛生や食中毒予防に関する取り組みについて理解を深めている様子が窺えました。今回の実習で学んだことを、今後の学修や就職後の現場での業務遂行に大いに活かしてもらいたいと思います。

 

フードスタンプ検体採取の様子① まな板
フードスタンプ検体採取の様子② 食器乾燥機のドアノブ
【フードスタンプ(黄色ブドウ球菌)結果】 黄色ブドウ球菌(周囲が白濁している黒いコロニー:手指より検出)
【手洗いチェッカーローションを用いた手指洗浄の実験】 爪や指の間に洗い残し(青く光っている箇所)があった。
【でんぷんの残留試験結果 お茶碗】 ヨウ素でんぷん反応陽性の部分が 見られ、でんぷんの残留が考えられた。
【油脂の残留試験結果 丸鉢・角鉢】 油脂の残留がみられた。また食器の種類によって、 油脂の残留度合いが異なった(角鉢の方が残留大)。
【ニンヒドリン溶液を用いた たんぱく質の残留試験結果】 対象実験を行ったが、調理実習で使用している 食器(右)には、たんぱく質の残留は認められなかった。
【洗浄剤の残留試験結果】 (左)洗剤残留なし (右)洗剤残留あり 対象実験を行ったが、調理実習で使用している 食器(左)には、洗剤の残留は認められなかった。

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