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お知らせ 食物栄養学科

【食物栄養学科】実験実習紹介⑨ 2年次後期 食品衛生学実習

食品衛生学実習では、栄養士・管理栄養士に必要とされる、食品衛生に関する知識を学修するための化学実験や微生物学的試験などを行います。

今回は、食品の品質試験の一つである“着色料”の実験について紹介します。

今回は食用タール色素を含んだ食品から色素を抽出して、含有の色素の種類を同定します。まず、チョコレート表面をコーティングしている着色料で毛糸を染色した後に脱色することで色素を抽出します。次に、これを濃縮して得られる色素抽出液を試料として各色素を薄層クロマトグラフィー(TLC法)によって分離します。実験方法は下記の通りです。

【実験方法】
①チョコを蒸留水の入ったビーカーにいれ、軽くかき混ぜることでチョコレート表面の色素を溶出させる。
②5%酢酸溶液を加える。
③脱脂羊毛を入れて、混ぜながら毛糸に色素を吸着させる。
☆酸性下で色素を羊毛に結合させます。この条件下で、羊毛は+の荷電を有する一方、色素は−の荷電を持つため、羊毛に色素が結合します。
④水で脱脂羊毛を洗い、よく絞りビーカーに入れる。
  

☆しっかり色素を吸着出来ていますね。

⑤アンモニア水を入れ、毛糸から色素を抽出させる。

⑥脱脂羊毛を取り出して、色素抽出液を加熱しながら十分に濃縮させる。
☆本溶液を試験溶液とします↓

⑦シリカゲルTLCプレートに1cm程度の間隔で試験溶液をスポットし、展開槽中で展開する。
  

⑧各試料溶液のRf値を計算して、標準色素のRf値と色調とから、試料に含まれていた酸性タール色素を同定する。

<Rf値の計算方法>

今回の実験で4色のチョコレートに、どの色素が使用されているかについて以下の結果となった。
ピンクのチョコレート→赤色3号
オレンジのチョコレート→黄色4号
イエローのチョコレート→黄色5号
グリーンのチョコレート→黄色4号青色1号

 

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