お知らせINFORMATION

お知らせ 食物栄養学科

【食物栄養学科】実験実習紹介 1年次前期 生化学実験

1年前期の生化学実験の授業では、生化学研究に使われる種々の実験法の原理や手法について実験を通して学んでいます。

生化学は栄養学の基礎となる科目の一つで、三大栄養素(炭水化物、脂質およびタンパク質)の性質とその代謝機構、そして遺伝情報の制御機構について学びます。生化学実験は、生化学の知識を基に(1)課題に積極的・主体的に取り組む姿勢を養う、(2)実験を通して自然現象や生命現象を理解する目を養う、(3)実験ノートやレポートの書き方等を含む基礎的実験遂行力を修得する、を到達目標としています。

今回は、PCR法を用いて自分自身の遺伝子型を解析する実験を行いました。

ヒトがお酒を飲むと、お酒の中のアルコール成分であるエチルアルコール(エタノール)が代謝されてアセトアルデヒドという物質が生じます。アセトアルデヒドは毒性が強い物質で、これを速やかに酢酸にまで分解することが人体にとっては重要です。アセトアルデヒドを酢酸に変換する酵素のうち、特にエチルアルコール代謝に重要なものはアルデヒドデヒドロゲナーゼ2(ALDH2)という酵素です。ALDH2遺伝子には多型があり、アセトアルデヒド分解能を有するN型とアセトアルデヒド分解能をほぼ欠いたM型に大別されます。両親から受け継いだALDH2遺伝子が共にN型のヒト(NN型)は「お酒に強い」体質となる一方、親からNとM型を受け継いだヒト(NM型)は「お酒に弱い」体質、両親から受け継いだALDH2遺伝子が共にM型のヒト(MM型)は「お酒を飲めない」体質と、遺伝子型からは判定されます。

今回の授業では、自分自身のDNAを抽出する実験から始まり、各自のDNAをサンプルとしてALDH2遺伝子断片を増幅するPCR反応、そして最後にPCRの結果を確認するためのアガロースゲル電気泳動を行いました。

自分自身のALDH2遺伝子の遺伝子型を知ることは、20歳以降のお酒との付き合い方にも大いに参考となると思われます。

電気泳動のゲルにサンプルをアプライ
DNAを確認

その他のお知らせ