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お知らせ 食物栄養学科

【食物栄養学科】卒業セミナー紹介⑤ ~本田研究室~ 焼芋レシピが<発酵Caféマルカメ>で限定販売されました!

令和8年2月11日(水)、「柚子香る!発酵あんこと焼芋のおはぎ」が祝日限定で販売されました。

この商品レシピの開発は、本学科の2年次後期に開講される卒業セミナー<本田研究室>における研究の一環として実施しました。今回の企画は山鹿にある丸亀醤油株式会社様との共同開発で実現したものです。こちらには<発酵Caféマルカメ>が併設されており、卒業生(佐藤香波先生)が栄養士として運営に関わっています。その佐藤先生と、健康的な体力作りと疲労回復を目的としながら、誰でも安心して食べられる発酵カフェ飯の商品化を検討しました。製菓とスポーツ栄養の両分野を学ぶ本学科の特色を生かし、アスリート飯としても活用できるよう、今回はさらにアスリートの特別講師にご参加いただき、専門性を高めました。

アスリート飯の実際は、プロサッカー選手としてイタリアで活躍した後、現在は山鹿でさつま芋農家をしているOmuraFarm代表の大村龍之介様からご指導いただき、試合前後の食事への要望やアドバイスを受けました。「さつま芋は日頃の食事管理に欠かせない」と感じてアスリートから生産者になられた行動力には学生もびっくり。「結果を出す人にとって、食事は1日3回のチャンスだ」と熱く語られ、学生も自分たちの学びが勝利に影響することにわくわくしながら熱心にアドバイスを聞いていました。

今回のイベントは、アスリートの食事管理に留まらずいろんな方々にさつま芋の魅力を伝えたいと願う生産者と、いろんな食材の可能性を自社理念のもとで販売していきたい企業、そして厳しい食事管理やアレルギー、高い健康志向や美容意識などを理由に外食を遠慮しがちな人々を本学科がつなぐものです。大村様の畑で手間暇かけて収穫された無農薬の山鹿産さつま芋を使用したこの限定商品、午後すぎには完売。当日店内にいた佐藤先生から「あるお客様が『糖尿病で砂糖を控えていて、医師からさつま芋を勧められていました!』と喜んで購入して行かれました~」という栄養士として嬉しい反響もいただきました。今回のイベントで好評だったこともあり、近日中にまた限定販売されるかもしれません。ぜひ発酵Caféマルカメ様のInstagramを覗いてみてください。

 

≪主食のようなスイーツ・スイーツのような主食≫でみんなの幸せを叶えたい!

今回、健康的な体力作りと疲労回復を目的としたレシピ開発では、商品化された「発酵あんこと焼芋のおはぎ」の他にも、大葉の風味がアクセントの「炙り焼芋味噌おにぎり」と、香ばしい胡麻の歯ごたえも楽しめる「発酵あんこ入り大学芋風スティックケーキ」を提案しました。日頃から糖質や脂質を厳しくコントロールして試合に臨むアスリートたちから「本当は自分たちも甘くて幸せなスイーツを食べたい、でも我慢している」という本音を伺いました。外食や購入品では食材料や食品添加物、栄養量などの詳細な情報が不明な上に、糖質や脂質が高すぎて食べられるメニューが少ないのだそうです。それは食事療養中の方をはじめ、健康や美容を意識する方も同じかもしれません。そこで、普通に蒸したさつま芋と比べて糖度が高くなる焼芋の状態に調理して自然な甘味を活用し、発酵が引き出す甘味や旨味も応用して、砂糖や油脂を使わない健康的なスイーツとして考案しました。なんとこれが多忙な学生や社会人の主食、アスリートの補食、医療福祉施設の給食にも有効なのです(一部誤嚥に注意)。焼芋に魚か植物性のたんぱく質と必須脂肪酸、ビタミンミネラル、クエン酸など天然の食材を加えて栄養を強化するとともに、食物アレルギーを引き起こすとされる食材(大豆を除く)と食品添加物は使わず、インクルーシブ(すべての人々が平等に社会参加できる状態)の視点からも、みんな同じものが食べられるものを目指し、栄養量だけでなく使用食材全てを表示しました。どれも心と体を満たすレシピで1個あたり約200kcal、食材費も安定的に入手可能なもので100円前後とし、商品や給食としての継続要素を満たしました。

健康や美容のためには白米より玄米が好まれますが、試合前後のアスリートも子どもも高齢者も、玄米は消化しづらい可能性があり、物性的にまとまりにくい性質もあるため、学科の教員がチームで研究している「糠ごはん」を活用し、玄米と同等の栄養を確保しながら、消化に影響しないよう配慮しました。その結果、学生も就職後にそれぞれの現場で献立として使用できるような完成度の高いレシピができあがりました。

今回のレシピで使う焼芋は、通常は形の不揃いなどの理由で規格外として廃棄されるさつま芋も用いることが可能で、食品ロス削減や値上げが続く食材費のコストダウンにつながることを期待し、SDGsの観点から廃棄食材の大量調理での活用法の確立も検討しています。

 

昨年の12月中旬、大村様とそのチームの方たちがサッカーの試合前後にこの3つのレシピを試食して下さったところ、「簡単に食べられて欲しい栄養が補えたのも良かった」「甘いもの欲が満たされ、良いパフォーマンスにもつながった」「手軽にとれるプロテインやサプリが溢れているが、手間暇かけて作られる食事の温かさ、作り手の顔が見えることはとても素敵だと感じた」との温かいお言葉をいただき、私たちも誰かを想って食事を作る姿勢の大切さを痛感しました。いろんな失敗や気付きをみんなで共有しながら、困っている誰かを支えるレシピに完成させていく作業は、効率さを求めるAIには難しいかもしれません。この無駄とも思われそうな試行錯誤の時間に価値を見出してくださって嬉しいです。

 

最後になりましたが、丸亀醬油株式会社の皆様には快く開発レシピ販売の機会をいただき、心より感謝申し上げます。佐藤様と大村様のお二人の先生方には講義だけでなく、調理試作でもたくさんの実践的なご助言をいただき深く御礼申し上げます。学生たちにとって、これまで学んだ栄養士業務とはまた違うやりがいや達成感を感じられる素晴らしい時間となりました。これからのお二人のご活躍もお祈りしています!

実際に販売された商品
講義中の様子➀
講義中の様子➁
調理中の様子
提案したレシピ3種類(左から発酵あんこ入り大学芋風ケーキ、発酵あんこと焼芋のおはぎ、炙り焼芋味噌おにぎり)
お二人の先生方と完成させた学生たち

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