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お知らせ 食物栄養学科

【食物栄養学科】卒業セミナー紹介➀ ~本田研究室~

この研究室では、主に医療福祉等の現場ですぐに活躍できる実践的スキルを磨いています。校外実習を終えて「もっと理解を深めたい!」と感じる栄養士の知識や技術を中心に、一歩先の即戦力を持つ新人栄養士の育成を目指したトレーニングを実施しています。例年、どの回でも活発な意見交換や質疑応答が行われ、これから巣立っていく学生の成長が頼もしく思えます。

今回ご紹介するのは、大人気のスチコンセミナーと嚥下調整食セミナーの回です。

スチコンとはスチームコンベクションの略語で、「オーブンにスチーム発生装置を取り付けて熱と蒸気を制御することで複数の調理方法を1台で実施することを可能とした多機能加熱調理機器」のことです。今年も特別講義として㈱LEOCの方々を講師としてお招きしました。

写真①

まずは温度について基本を理解します。スチコンが使いこなせる栄養士は現場でも強い!

 

写真②

無水調理で糖度もアップ!栄養満点の無水人参ポタージュが完成!!

普通に茹でた人参と、無水調理人参そのものの味も比較して、味の違いを学びました。

茹でた人参よりも無水調理した人参の方が甘さが濃く、栄養も失われないためより多く栄養を摂取することができます。

 

写真③

蒸し鶏では蒸す温度でかたさに違いがあるかを比較しました。

今回は、左:80℃ 右:100℃で蒸したものを試食しました。

80℃で蒸した方がやわらかく感じました。

対象者によって蒸す温度を選ぶことが大切です。

写真⑤

【左:とろみ(弱)、真ん中:とろみ(中)、右:とろみ(強)】

水にとろみ剤を加え、とろみの強度を比較しました。

学生からは事前学修で自分たちが作ったものと比べ、とろみ剤の溶け残りがなく飲みやすかったという気づきを得ることができました。

 

写真⑥

嚥下調整食コード4(左)とコード3(右)で調理したデミグラスハンバーグ。

コード4は歯茎でつぶせる硬さ、コード3は舌でつぶせる硬さです。

見た目では同じに見えても、食べ比べると物性の違いがはっきりわかります。

 

写真⑦

嚥下調整食コード2ではミキサーを使用し、さらに裏ごしという一手間を加えなめらかにします。

コード2-2はべたつかず、まとまりやすいもので不均質なものも含みます。

コード2-1は均質でなめらかで、べたつかず、まとまりやすい性状です。

ラップで形を整えたり、型に入れたりして見た目にもこだわります。

写真⑧

嚥下調整食コードは0j、1jです。

コード0jは均質で付着性・凝集性・かたさに配慮したゼリーです。離水が少なく、スライス状にすくうことが可能なものです。

コード1jは均質で付着性・凝集性・かたさ、離水に配慮したゼリーやプリン、ムース状のものです。

ゼラチン(左)と寒天(右)で比較しました。

 

1つの献立を病態や形態ごとに展開して調理を行うための工夫を現場目線でいろいろ教えていただき、これまでの学びが応用に活かされることを知り、学生も感動が大きかったようです。

LEOCの先生方、栄養士の卵への熱心なご指導を本当にありがとうございました。

 

引用:嚥下調整食学会分類2021

 

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