お知らせ 食物栄養学科
【食物栄養学科】甘太くんの焼き芋レシピをこども園の給食で提供しました②。
令和7年2月6日(木)、JA全農おおいた様よりご提供いただいた、大分県特産品のさつま芋「甘太くん」を使った給食を大阪府門真市にあるおおわだ保育園様で提供しました。
給食で提供したポタージュレシピの開発は、本学科の2年次後期に開講される卒業セミナー<本田研究室>における研究の一環として実施しました。今回の企画は、JA全農おおいたとの連携で実現したもので、子どもたちの給食食材に甘太くんを使ってもらいたいと願う生産者と、いろんな食材を知る機会が必要なこども園を本学科がつなぐものです。1月は熊本市で実施し、2月は甘太くん供給先の約50%を占める関東関西圏の中でも、10年前から地元のスーパーで販売されている門真市のこども園に、着ぐるみの甘太くんと共にお邪魔して園児たちと触れ合ってきました。できあがった給食は0歳児から5歳児までの全クラス、園長先生、保育士や調理師の先生方、合わせて約200名の皆様に食べていただきました。「世界一おいしい!」「おうちで食べるのと全然ちがうよ!」「はちみつみたい!」「めーっちゃ甘い!」「ポタージュおかわり!」など、園児からは嬉しい感想をたくさんいただきました。
おおわだ保育園子どもたちの様子 https://blog.goo.ne.jp/oowada_2014/d/20250206
今回給食の一部で提供したのは、「焼き芋」と「焼き芋ポタージュ」です。他のさつま芋と比べて糖度の高い甘太くんを、さらに焼き芋にして糖度を上げ、砂糖を使わない健康的なポタージュとして考案したものです。さらに、焼き芋にたんぱく質などを加えて栄養を強化するとともに、食物アレルギーを引き起こすとされる食材(大豆を除く)と食品添加物は使わず、インクルーシブ教育(すべての子どもが同じ環境で学び合う)の視点から物性面も考慮し、離乳食から嚥下調整食(学会分類2021/コード2-1・中間のとろみ)まで提供可能なものを目指しました。その結果、学生も就職後にそれぞれの現場で献立として使用できるような完成度の高いレシピができあがりました。今回の加工では、通常は形の不揃いなどの理由で規格外として廃棄される甘太くんを用いることで、食品ロス削減や値上げが続く食材費のコストダウンにつながることを期待し、SDGsの観点から廃棄食材の大量調理での活用法の確立も検討しています。
当日は、まず、園児のみなさんに向けて甘太くんと一緒にさつま芋のお話やクイズ、焼き芋の歌に合わせてじゃんけん大会などをしました。私たちが行く前から大好きなさつま芋の甘太くんに会えるのを楽しみにしていたようで、みんな大きな声で「甘太くーん!!」と声を掛け、一緒に元気よく遊んでくれました。最後にみんなと記念写真を撮り、ハグやハイタッチをしました。園でもさつま芋を育てておられ、とても親しみやすい食材のようでした。
甘太くんと遊んだ後はお待ちかねの給食です。0歳児の11時からスタートし、5歳児の12時半まで全クラスを回りました。食べる前にみんなで焼き芋の食感や香りなど、いつものさつま芋と甘太くんの違いを観察しました。「すごく甘い!いっぱい食べたい」「めーっちゃおいしい!」「ぷくぷくしてるところが蜜だよね?」など年齢に応じた反応や気付きを先生やお友達と共有しながら、観察が終わった後はパクパク食べてくれました。見慣れない焼き芋に不安な0歳児も、数口食べてからは自分で手を伸ばしてくれるなど、おいしかったことが伝わりました。
次に、規格外で廃棄される甘太くんを活用したポタージュを飲みました。ふだんの給食にはあまりない献立と伺って心配していましたが、0歳児から5歳児までの全クラスで甘いポタージュは大人気でした。検食をされた園長や、笑顔で園児と一緒に盛り上げてくださった保育士や調理師の先生方も普段と違う焼き芋の試食に「砂糖なしでこの甘さ?!離乳食も余裕でいける!家での焼き方も知りたい!」と大変喜んでくださいました。
最後になりましたが、おおわだ保育園の馬場園長をはじめ、調理師の崎先生、保育士の先生方には快く食育や給食提供の機会をいただき、心より感謝申し上げます。また、食育活動でご助言をいただきましたこども家庭庁教育保育専門官の馬場様、園の献立などを調整いただいた管理栄養士の米倉先生、甘太くんの提供や活動の支援で大変お世話になりました大分県農林水産研究指導センターの山本様、JA全農おおいたの松川様、大分県ブランド推進課の佐藤様にも深く御礼申し上げます。