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お知らせ 食物栄養学科

【食物栄養学科】甘太くんの焼き芋レシピをこども園の給食で提供しました。

令和7年1月15日(水)、JA全農おおいた様よりご提供いただいた、大分県特産品のさつま芋「甘太くん」を使ったおやつを熊本市にあるくほんじこども園様で提供しました。

このレシピ開発は、本学科の2年次後期に開講される卒業セミナー<本田研究室>における研究の一環として実施しました。今回の企画は、JA全農おおいた様との連携で実現したもので、子どもたちの給食食材に甘太くんを使ってもらいたいと願う生産者と、いろんな食材を知る機会が必要なこども園を本学科がつなぐものです。できあがったおやつを、年長組36名、園長先生、保育士や栄養士の先生方に試食していただきました。「今まで食べた芋で一番おいしいよ!」「甘くて幸せ~!」など、園児からは嬉しい感想をたくさんいただきました。

 

今回給食で提供したおやつは、「焼き芋ポタージュ」と「焼き芋スムージー」です。他のさつま芋と比べて糖度の高い甘太くんを、さらに焼き芋にして糖度を上げ、砂糖を使わない健康的なレシピを考案しました。さらに、焼き芋にたんぱく質などを加えて栄養を強化するとともに、食物アレルギーを引き起こすとされる食材(大豆を除く)と食品添加物は使わず、インクルーシブ教育(すべての子どもが同じ環境で学び合う)の視点から物性面も考慮し、離乳食から嚥下調整食(学会分類2021/コード2-1・中間のとろみ)まで提供可能なものを目指しました。その結果、就職後もそれぞれの現場で献立として使用できるような完成度の高いおやつができあがりました。今回の加工では、通常は形の不揃いなどの理由で規格外として廃棄される甘太くんを用いることで、食品ロス削減や値上げが続く食材費のコストダウンにつながることを期待し、SDGsの観点からの廃棄食材の大量調理での活用法の確立も検討しました。

 

当日は、まず、園児のみなさんに向けて本学出身の栄養士である松永先生と一緒にさつま芋のお話をしました。みんなさつま芋が大好きで、元気よく答えてくれました。園では毎年芋ほり体験が好評で、来年度は畑を借りてさつま芋を育てるところから体験するそうです。

  

 

お話の次は、お待ちかねの焼き芋の登場です。食べる前にみんなで食感や香りなど、いつものさつま芋と甘太くんの違いを観察しました。「いつものよりやわらかい」「おいしいにおいがする!」「べたべたするのはなんで?」などの気付きを先生やお友達と共有しながら、観察が終わった後はパクパク食べてくれました。
  
  

 

次に、規格外で廃棄される甘太くんを活用したポタージュとスムージーの食べ比べをしました。ふだんの給食にはあまりない食感や味の経験でしたが、旨味や酸味の違いもすぐに分かったようで、やはり園児には旨味を感じるポタージュのほうが人気でした。

  

 

左から、栄養士、園長、主幹保育教諭の先生方。終始笑顔で園児と一緒に食べてくださいました。

 

レシピを完成させた学生たちです。
  

学生もこの貴重な経験から、ふだんの学びが仕事のいろんな視点に通じること、食べることを通して人を幸せにする意味などを理解し、栄養士の仕事に関心が深まった様子でした。

最後になりましたが、くほんじこども園の矢野園長をはじめ、栄養士の松永先生、保育士の先生方には快く食育や給食提供の機会をいただき、心より感謝申し上げます。また、甘太くんの提供や活動の支援で大変お世話になりました大分県農林水産研究指導センターの山本様、JA全農おおいたの松川様、大分県ブランド推進課の佐藤様にも深く御礼申し上げます。2月には大阪府のこども園で200食の提供を予定していますので、さらに多くの園児を笑顔にしたいと思います!

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