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お知らせ 食物栄養学科

【食物栄養学科】実験実習紹介⑪ 2年次後期 食品衛生学実習

食品衛生学実習では、栄養士・管理栄養士にとって重要な食品衛生実務の基礎を学びます。具体的には、手指及び食器洗浄に関する衛生管理、食品の品質・添加物等の理化学検査の方法や食中毒事例を用いたマスターテーブル法などについて学修します。その他、食中毒の原因となる微生物の特徴・性質を利用した微生物検査法等に関する実験を行い、それらの結果に基づいて微生物学の立場からの食品の安全性評価基準等を十分に理解することで食品衛生について正しく判断できる力を身につけていきます。

今回の授業では、衛生管理手法実験の「調理室及び手指の細菌検査・食器残留物試験・洗浄剤試験」について実習を行いました。

給食の運営・提供にあたっては、HACCPや大量調理施設衛生管理マニュアルなどに従って調理を行い、食中毒発生防止に取り組みます。しかしながら、どんなに十分に注意したつもりでいても目に見えない微生物や化学物質を相手にする以上、実際に給食を提供する現場において食中毒が発生してしまうことがあります。そのため、今回の実験では、食の安全や食中毒発生予防の観点から、「どのような点が盲点になりやすいか」などの調理室での食品衛生上の留意点についてさらに詳しく理解を深め、適正な知識を得ることを目的に実習に臨みました。

今回は、学内の調理実習で実際に使用している食器の洗い残しの有無を判定する【たんぱく質・脂質・でんぷんの残留試験】、そして手指洗浄方法の効果を確認するチェッカーローションを用いた【手指洗浄実験】を行いました。

実習の様子やその結果を以下に写真で示します。

実習後には、追加の調べ学習やレポート提出を行います。レポートには多種多様な考察や感想が記述されており、食品衛生の基本的な考え方や食中毒予防に関する取り組みについて理解を深めている様子が窺えました。全15回の食品衛生学実習の授業を通して、実際に自分が栄養士として現場での給食管理に携わったときに、「安全に食事を提供するためにはどういったことに注意すべきか」、「食中毒を起こさないための調理師など多職種の方々との関り方」や「衛生指導にはどのように取り組むべきか」などについても学んでもらいました。この授業で学んだことを、就職後の現場での業務遂行などにも大いに活かしてもらいたいと思います。

 

【手洗いチェッカーローションを用いた手指洗浄の実験】

手洗いチェッカーローションを手指全体に塗り広げ、擦りこんだ後、手洗い用石けん液を使って普段通りの手洗いを行います。
         ↓     ~ブラックライトをかざします~     ↓         

    

 

【でんぷんの残留試験結果 お茶碗・しゃもじ】
  
お茶碗は、傷のついた箇所にヨウ素デンプン反応陽性が見られました。
しゃもじは、凹凸のある部分にヨウ素デンプン反応陽性が見られました。
両方とも汚れが入り込みやすく、洗い落としにくい箇所です。

 

【油脂の残留試験結果 角鉢】
  

 

【ニンヒドリン溶液を用いたたんぱく質の残留試験結果】

 

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