お知らせINFORMATION

お知らせ 食物栄養学科

【食物栄養学科】卒業セミナー紹介⑥ ~原田研究室~

2年次後期の卒業セミナーでは、学生が希望する教員の研究室に所属し、興味や関心のあるテーマについて調査・研究を行います。
今回は、原田研究室での卒業セミナーの様子を紹介します。

この研究室では、主に米糠や節レンコンなど廃棄されやすい農産物・農産加工副産物を使った食品や料理の開発を行っています。また、文献や書籍からの関連分野の情報収集や開発した食品・料理の官能評価(実際に食べて味、香り、見た目、おいしさなどについて評価すること)を実施し、得られた成果をまとめてプレゼンテーションしています。いくつかのチームに分かれてチームごとの研究テーマに自主的に取り組み、その成果を取りまとめて発表することで、主体性、協調性や表現力の向上を目指します。

今年度は「米糠の有効利用」をテーマに設定して調査・研究を行いました。米糠は食物繊維、ビタミン類やミネラルを豊富に含む「栄養素の宝庫」とも言うべき農産加工副産物ですが、その有効活用は未だ緒についたばかりです。この記事では学生たちが考案・調理した料理の一部をご紹介します。

 

  
米糠を使った「生春巻き」(写真左)と「ふりかけ」(写真右)は、米糠に含まれるビタミンB1や食物繊維が豊富なメニューです。米糠を料理に上手く取り入れることで、食品廃棄を減らすことに加え、体にも栄養学的にメリットがあります。さらに野菜をたっぷり使うことを意識したことにより、ビタミン類やミネラルや食物繊維が豊富な「生春巻き」と「ふりかけ」が完成しました。

 

    
また、瑞鷹株式会社様から熊本の伝統的調味料である東肥赤酒をご提供いただいたことから、赤酒を使った「さつま芋ときのこの甘辛炒め」(写真左)と「野菜のコロコロ汁」(写真中央)も併せて調理しました。今回は一汁三菜として献立を立て、野菜を約160 g含んだ1食当たり645 kcalのメニューが仕上がりました(写真右)。

 

  
実際に調理をしてみて、米糠が強い吸水力を有することや焦げやすいので炒る際には注意が必要なことが分かりました。また、試食してみると、米糠の粉っぽさは一切感じられず、特にふりかけは香ばしい風味がとてもおいしかったです。甘味のある赤酒を添加することで、みりんや砂糖を加えなくとも料理にほんのり甘味がつき、食べやすい料理になることが分かりました。新たな発見もあった今回の卒業セミナーでの学修成果が今後も学生たちの力になってくれると期待しています。

 

その他のお知らせ