お知らせ 食物栄養学科
【食物栄養学科】実験実習紹介④ 1年次後期 栄養学各論実習
この実習では、ライフステージ別の生理機能の特徴と栄養の関係を学び、対象に応じた献立作成と、調理実習を体験的に学習します。自分たちで考えた献立を実際に調理することにより、作業計画や発注など栄養士業務の一端を学びます。
ライフステージは、妊娠期・授乳期・乳児期・幼児期・学童期・思春期・成人期・高齢期をテーマに、講義・調理実習を行います。
今回は、高齢期を対象とした実習の様子をご紹介します。
わが国では65歳以上を老年人口とし、65~74歳を前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と分類しています。高齢者の生理的特徴の一つに、咀嚼・嚥下機能の低下が挙げられます。咀嚼機能の低下は、食物摂取量の低下や栄養の偏りを引き起こし、特にやわらかく食べやすい炭水化物に偏ることで、たんぱく質やビタミン、ミネラル、食物繊維の不足を招きます。嚥下機能の低下は、誤嚥(食物や水分などが食道ではなく誤って気管に入ること)を引き起こし、肺炎を発症することもあります。いずれも適切な食品を選択し、調理法や調理形態、硬さなどを工夫することで、高齢者にも食べやすい食事を作ることができます。
学生は講義や調理実習を通して、高齢期の食の特徴を学び、対象者にあった食事について理解を深めていきます。
今回は高齢者にも喜んでいただけそうな秋の献立を調理・試食しました。
![]() | ![]() |
さわらのつけ焼きはたれを数回に分けて | 菊花かぶはきれいに花が開くようにでき |
塗ることで照りを出しています。 | るだけ、細かく包丁を入れます! |
![]() | ![]() |
揚げ出し豆腐の豆腐を油で揚げているところです。 | 土瓶蒸しは土瓶の中に具材とだし汁・調味料を |
入れてそのまま蒸し器で蒸します。 |
![]() | ![]() |
錦糸卵にする薄焼き卵を焼いています。 | 盛り付けは1つずつ丁寧に行います! |
![]() | 【高齢期の食事】 ・ごはん ・さわらのつけ焼き ・付け合わせ:菊花かぶ ・揚げ出し豆腐 ・土瓶蒸し ・大徳寺なます |
完成しました! |
さわらのつけ焼きには、吉野酢のおろしあんを添えて、パサつきがちな魚の身を高齢者にも飲み込みやすく工夫し、実際に試食して確認しました。また、大徳寺なますのほうれん草は1分茹でたものと5分茹でたもののやわらかさを食べて比較し、調理方法による硬さの調節を学びました。
今回の献立で、学生からは「和食の良さ・おいしさを再確認した」との意見が多く聞かれました。
土瓶蒸しを初めて食べる学生もいたようで良い経験になりました。