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お知らせ 食物栄養学科

【食物栄養学科】実験実習紹介⑨ 2年次後期「微生物学」

 この授業では、栄養士・管理栄養士の業務に必要な基礎微生物学に関する知識を修得することを目的としています。微生物学は座学の授業ですが、説明だけではイメージが掴みにくい細菌の形質転換について、実際の体験によって理解を深めることを目的として今回の実習を行いました。

 外部からのDNAを取り込みやすくした大腸菌(コンピテントセル)に抗生物質耐性遺伝子を有するプラスミドDNAを加えた後(対照実験としてプラスミドDNAを加えないものを用意)、42℃で45秒間ヒートショックを与えました。次に、この大腸菌を抗生物質入りの寒天培地上に播種して37℃にて一晩培養しました。翌日、寒天培地上に数多くのコロニーが出現しており(対照実験ではコロニー出現は皆無)、プラスミドDNAの取り込みによって大腸菌に抗生物質耐性という新たな形質がもたらされたことがわかりました。

 学生たちはプラスミドDNAの導入による形質転換で大腸菌の形質が変わった(抗生物質非耐性菌が抗生物質耐性菌に変化)ことを目の当たりにして、大きな驚きを感じたようでした。

 微生物学では上記の他に、微生物生理学(増殖、代謝及び遺伝)、微生物利用学、食品微生物学、遺伝子組み換え技術、病原微生物学や免疫学などについても学びます。

抗生物質入りの寒天培地をシャーレに注ぎ込みました氷の上に大腸菌入りのミニ試験管をセットしました
大腸菌の菌液にプラスミドDNAを加えました42℃でヒートショックを与えました
クリーンベンチの中で培地の表面を乾かしました37℃で一晩培養しました
左が対照実験(プラスミドDNA非添加)、右が形質転換実験の結果です。右側のシャーレのみ大腸菌の塊(コロニー)が出現していることが分かります説明を受けた後に、写真を撮影しました

 

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