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【尚絅子育て研究センター】第2回乳児保育研究会を開催しました! テーマ『睡眠について①』

2017年5月31日

 第2回乳児保育研究会は「睡眠について」をテーマに,「あゆみ保育園」「とことこ保育園」の2園からそれぞれ実践の報告をしてもらいました。

 あゆみ保育園は,睡眠に課題をもつ子どもに対して,どのように援助していけばよいのかこれまで職員同士で話し合いを重ねてきたそうです。「睡眠について」というテーマを見たとき,自園の気になる子どもの顔が浮かび,是非報告したいと率先して手を挙げてくださいました。報告の冒頭で,「実は,前回睡眠の報告を担当することが決まってから,園に戻り『あなたも眠れなくてきついよね…』と思って抱っこしていたんです。そしたら,これまでが嘘のようにスッと寝たんですよ!」と驚きながらも嬉しそうに教えてくださいました。そしてその時に,これまで子どもと接しながら「どうして寝ないんだろう」「何が問題だろう」と心の中で焦る気持ちを抱えて接していた保育者の姿に気付かされ,まずは「あなたも寝れなくてきついんだよね。」と,その子に寄り添う気持ちを忘れていたのではないかと反省したそうです。報告者の先生は,そうした保育者の心を子どもが「受け止めてもらえた」と感じ取り,その時に安心して寝ることができたのではないだろうかと話されていました。

 保育者は,何か気になる問題や行動を示す子どもに出会った時,ついついその問題を解決しようとするあまり,必死に原因は何かと考え,その対応策を求めがちです。もちろんそれは大切なことですが,その一歩手前に,まずは子どもが困っていることに寄り添い,共感的に受け止めること保育の出発点でもあります。研究会のメンバーからは,仰向けでのあやし遊びといった保育者と子どもの共感的関係を築けるよう丁寧にかかわることが大切ではないかという意見や,報告の中から見えてきた母親へのサポートの必要性についての提案等がなされました。

 「とことこ保育園」からの報告では,同じように睡眠に課題を抱えていると思われる子どもについての報告がなされました。園の職員全員が同じ対応をできるように,職員間での共通認識を図りながら,睡眠時間が短い子どもへの対応や,午睡・入睡時の工夫をされてきたそうです。「とことこ保育園」の報告でも,子どもの背景にみえてきた母親へのサポートの必要性が話題になりました。言うまでもありませんが,子どもの育ちは,家庭・園のどちらか一方ではなく,家庭と園とが共に一緒になって見守っていく必要があります。そのために,まずは何気ない会話から始まり,子どもの様子について安心して相談できる雰囲気があることが大切です。メンバーの中のベテラン保育士の方から「自分の失敗談を語ると保護者と話しやすい。気負わずに母親と同じ目線で話すと雰囲気がよくなるのでは。」という具体的なアドバイスも出されました。報告者の先生は最後に,「今日こそ家庭の話をしよう!と思いすぎていたのかもしれない。その気持ちが伝わり,かえって母親を構えさせてしまったのでは。これからは先ず何でも言いやすい雰囲気づくりを意識してみたい。」と振り返っていました。

 両園からの実践報告を全員で読み合う中で,家庭との連携や保護者へのサポート,そしてそのための関係性づくりといったことの大切さを改めて実感するとともに,そのことが子どもの健やかな育ちにつながっていくことをメンバー全員で確認することができた有意義な時間となりました。

(文責:二子石)

研究会で話し合ったことが実践で実ったお話もしてくださいました!
実践報告をして下さった先生方 ご準備とご報告、ありがとうございました
今回も30名の参加者と一緒に学び合い、話し合うことができ、有意義な研究会となりました!
こどもたちのことを一生懸命に考えながら語って下さいました。

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