尚絅大学・尚絅大学短期大学部

3年生向けの授業「日本伝統文化史講義Ⅰ」は、文芸文化領域の専門科目です。その科目名のとおり、日本の伝統文化、とくに古典文学の歴史を学びます。

現代の日本文化や日本人の精神性を理解するうえで、日本古典文学は大きなヒントになります。文学作品の作中人物がどのような心の葛藤を抱えているのか、その作品が受容された時代背景はどのようなものか、日本人が重視する季節観が文学にどのように現れているか、などについて学ぶことは、わたしたち日本人のものの考え方を理解することに直結します。

今年度は、最後の授業で、水前寺公園の能楽堂で催される「薪能」を鑑賞することができました。近年はコロナ禍の影響で開催できずにいましたが、今回ようやく4年ぶりに上演となりました。今回の演目は「熊坂」で、中世の余韻にしばし浸ることができました。（公演日は毎年8月の第1土曜日です。公園の入園料も、能の鑑賞料も無料なので、たいへんお得です。）

学生は、ときに学外で古典芸能に触れながら、日本文学の奥深さを味わいます。授業を通して豊かな精神性を身につけてもらいたいと思います。