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お知らせ 総合生活学科

【総合生活学科】授業紹介~「卒業演習(中里ゼミ)」~

中里ゼミ(心理学)では、毎年、ゼミ生が3人~5人でグループ研究を行っています。ゼミでは教員がテーマを指定するのではなく、ゼミ生の「なぜ?」「これ知りたい!!」という思いを大切にしながら、学生の主体性を育みゼミ活動をしています。ゼミでは、①テーマ設定、②情報収集、③調査準備(質問紙や実験材料等の作成)、④調査の実施、⑤得られたデータを集計・整理、⑥得られた結果と分析、⑦調査発表という手順をとっています。グループメンバーが協力しながら、その作業を進めます。昨年度(令和3年度)と今年度(令和4年度)は次のようなテーマに取り組みました。

◆昨年度
①「リフレーミングを活用した前向き思考を実践することで、自己肯定感は高まるのか?」
・ゼミ生全員で行いました。学生は、1か月間、寝る前に今日一日あった出来事(うれしかったこと・気分が下がったこと)を振り返り、気分が下がった出来事に対して、前向きな思考や捉え方に変えて(リフレーミング)記録をつけました。その実験の開始と前と後で、自己肯定感を評価する2つの尺度を実施しました。実験を行った「後の方」が、実験を行う前よりも、「自己肯定感が高い」という結果が得られました。

②「音楽の好みに、性格やライフスタイルの違いは関係するのか?」
・ゼミ生は、性格やライフスタイルなどを調べるアンケート用紙を作成しました。そして、研究協力者にはまずこのアンケート用紙に回答をしてもらい、その後に3つの異なる音楽を聞いてもらいました(1つの音楽ごとに「音楽を聴く」→「音楽に対する評価」を行う)。その結果、参加者は同じ時間に同じ音楽を聴いているにも関わらず、聞いた音楽に対する好みは異なり、性格の一部が音楽の好みに関係していることが分かりました。ライフスタイルは、明確な関連は見られませんでした。

◆今年度
①「ネットショッピングの購買意欲と興味の惹かれる広告表示とは?」
・67%の女子学生が「1週間に一度以上、ネットショッピングアプリ(サイト)を閲覧している」が、「実際にアプリ(サイト)で1週間に1回以上購入している」と回答した人は4.4%でした。そして「1週間に一回は買わないが、1か月に1回以上は購入している」という人が最も多く57.7%でした。
・興味の惹かれる表記として選ぶ文言は、「○○%OFF」、「期間限定」の方が、「数量限定・なくなり次第終了」、「購入期間○○日まで」よりも、“興味を惹かれる”と回答する割合が多い結果でした。またゼミ生が疑似作成した商品の広告表示サンプルを提示して実際に購入したいと思う画面を選択する設問でも、同じ結果が得られました。
②「人が嘘をつく心理とは?」
・アンケート調査では、「嘘をつく傾向」を評価する尺度と「性格」を評価する尺度の回答を求めました。ただし今回の調査では、調査協力者に回答してもらった尺度の合計得点の差はすくなく、嘘をつく傾向と性格に明確な関連は見られませんでした。そこで、性格を含めて再度、これまでに研究や調査で調べられている噓をつく行為に関係する要因を整理して、発表を行いました。
調査結果は実際に調べてみないと分からない結果や無記名だからこそ分かる本音等が垣間見え、とても興味深いものでした。

アンケート用紙の回答を入力する作業
発表スライド(パワーポイント)の作成作業

その他のお知らせ