お知らせINFORMATION

お知らせ 総合生活学科

【総合生活学科】授業紹介~福祉ウェルネス分野「死生学」~

本学科では、福祉ウエルネス分野の選択科目として「死生学」があります。

通常、人が「生」まれ、「死」を迎える間には、「病」になったり、「老」いる過程があります(「生・老・病・死」)。また例えば、大きな「病気」になることで、自分の「生」や「死」を考えることもあり、「生・老・病・死」はそれぞれが関係するテーマでもあります。

死生学【thanatology】とは、ギリシャ語の「死」を意味するサナトス(thanatos)と学問・研究(logos)を合わせた造語です。

死生学は「死」に関する概念や思想、問いから派生したものです。そのため、「死」を問うことは「生」を問うことに通じます。また「なぜ人間は死なねばならぬのか?なにゆえ、人は生きるのか?」といった人間の存在に対する根源的な問いを投げます。そこで「死生学」では、心理学の立場から、次のようなテーマを扱います。

〇人称から捉える「生と死」

〇自分自身の誕生・愛する者の誕生

〇宗教と死生観

〇若者の悩みや問い/青年期における子どもと大人のコミュニケーション

〇「生きる意味」を問う(フランクルから学ぶ)

 

〇死の状況/自死/うつ病

〇「病」から見えてくるもの

〇がん患者の心理とケア/終末期医療と意思決定

〇喪失体験・死別の悲嘆とケア

〇老い・人生の最後を考える

〇デス・エデュケーション

この授業では、各テーマに関する知識を得ることだけを目的としていません。授業では、各テーマごとに、教員から学生に自分自身の生活と関係づけた「質問や問い」を投げかけ、まずはそれについて各自で紙に書きながら自分の考えを整理します。その後、必要に応じてグループで意見交換やワークをしながら、自分の考えや他の人の考えを共有します。したがって、「死生学」ではテーマについて1人1人が「何を思い、何を感じたのか」を大切にすることで、「人が他者と共に生きることの意味」を一緒に考えることを目指しています。

人によっては、授業を受ける前のイメージとして、「暗い・重たそう」、「自分には関係ない」と考える学生もいます。そんな学生でも授業を通じて、「答えがないことを考えることに最初は苦戦したけど、色々考えられて面白かった」、「若いと関係ないではなく、どんな人にも関係するテーマだと思った」といった感想を言ってくれる人もいます。また授業を通して、「今までの生活や自分の考えを整理し、これから何を大切にしていきたいかを考えることができた」、「自分がこれまでに感じていた悩みやモヤモヤが言語化できてすっきりした」、「自分の命、大切な人の命、生きている時間の大切さを深く考える機会になった」「今を大切に生きようと思った」などの意見をもらうこともあります。

「生老病死」に関するテーマも多様化する現代は、一人一人に「どう生きるか」を問う時代なのかもしれません。「死生学」や「いのちの尊厳」等の科目を取り入れている大学は少しずつ増えてきていますが、このような科目のある大学は限られているのが現状です。

ぜひ一緒に、本学科で「死生学」を学んでみませんか。

その他のお知らせ