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【子育て研究センター】令和2年度 第6回 乳幼児保育研究会を開催しました!

第6回乳幼児保育研究会を開催しました!

3月17日(水)に、令和2年度の最後となる第6回乳幼児保育研究会を開催しました。今回は、はつのあそびの森こども園の中村さんに3.4.5歳児の保育をテーマに報告をしてもらいました。

中村さんは3歳から5歳の異年齢クラスの担任をしており、今回はある4歳児の子どもについて相談がありました。

その子どもは、「先生に言うからね!」、「もう先生に言ったからね!」が口癖で、友達とトラブルになると保育者のところに「先生、〇くんが叩いてきた」等といつも報告をしてくる姿があるそうです。中村さんは、その都度、相手の友達と一緒に話ながら、その子どもの気持ちを受け止める対応を心掛けているそうなのですが、なかなかこの状況が変わらないことに悩んでいるとのことでした。また、普段は鬼ごっこや泥遊びを好んで遊んでいるそうなのですが、トラブルの都度、中断してしまい遊びが続かず深まらないことも課題として感じているそうです。

参加者達からは様々な視点から意見が出されました。「報告にあったような子どもに限らず、自分は子ども同士のトラブルの場面では保育者が警察官や裁判官のようになってしまわないように気を付けている。保育者が何でも解決してくれる存在になってしまうと、先生に頼った子どもの言動も出てくる気がする。」、「保育者はついつい子どもに“ごめんなさい”や“いいよ”を言わせることに固執してしまうところがある。必ずしもその場で丸く収めようとしたり、言葉に出させたりしないといけないということではなく、保育者が子どもの表情や様子から内面を汲み取って、言葉はなくても伝わっているよ、気持ちは分かるよ、と声を掛けることも大切ではないか。」、「場合によってはモヤモヤが残ったまま家に帰り、そして翌日仲直りができることで、改めて友達という存在の嬉しさを噛みしめる・・・といった経験も大事だと思う」等という意見がありました。言葉での直接的なコミュニケーションに慣れている大人は、ついつい子ども対して気持ちを言語化することを求めてしまいますが、心のつながりを意識したかかわりも必要ではないでしょうか。また、他の意見として、「この報告の子どもの姿からは、もっと先生に聞いてほしい、構ってほしい、ぼくを見てよという思いが伝わってくる。トラブル場面以外で、じっくりとその子どもと時間や場を共有してあげてほしい。」という意見も出されました。それに関わって、この報告の子どもには、特定の大好きな友達や没頭・熱中できるような遊びが今のところ見当たらないということだったため、「ささいなトラブルが気にならないほどのめり込める遊びや友達関係を見つけていくことを保育の目標にしてみてはどうか」というアドバイスも出されました。

続いて、話題はトラブル場面での話し合いの持ち方や保育者の介入の仕方に移りました。そこでは、前述した参加者からの意見を踏まえつつ、時には保育者としてトラブルの解決を子ども同士に任せ、見守ることも大切であるということを確認しました。もちろんケースバイケースで保育者による積極的な介入や保育者の思いをしっかりと伝えることが必要な時もあるかと思います。その為にも、子どものトラブルに関わる時の方向性やタイミングについて普段から保育者間でしっかりと意思疎通をしておくことが重要でしょう。また、その他にも園舎の一角にテーブルと椅子を設置し、子ども同士が落ち着いて話し合いができる環境を整えている園もあるようでした。

最後に中村さんは「多くの意見をもらい、改めて保育は先ず何より子どもが楽しい生活を送ることが大切だということを考えた。同僚の保育者とも連携を取りながら、報告の子どもも私も楽しめる日々を目指していきたい」と振り返っておられました。

今年度はコロナウイルスの影響により、全6回の研究会でしたが、どの回でも保育を考える上で重要な学びと気付きが得られた研究会になったと思います。次年度も引き続き、多く皆様の参加をお待ちしております。

(文責:二子石諒太)

中村さん(はつのあそびの森こども園)

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