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お知らせ 子育て研究センター

【尚絅子育て研究センター】第1回乳児保育研究会を開催しました!

2019年度 第1回 乳児保育研究会の開催について

はじめに~研究会の目的・課題~

今年度で5年目を迎える乳児保育研究会は、今日、新保育制度のもとで増え続けている乳児保育(0,1,2歳児の保育)の需要に対して、量的確保のみならずその質こそを問うていかなければ、熊本の保育の質を維持・向上させることはできないと考え、2015年度から会を立ち上げました。

これまで、保育者が子どもに寄り添いながら育んできた保育実践を、より多くの仲間と共有し、学びあえる会にしたいと取り組んできました。私たち、現場で人間を育てる者たちが、その人垣の中で大切にしてきたこと、これからも大切にしたいことを話し合い、考え合う中で、とくに乳幼児期の人間形成の土台の時期を豊かに、大きく膨らませていけたらと願っています。

2018年度は、何気ない生活場面(食事・排泄・睡眠・あそび)を切り取りながら、多くの現場実践者の力を結集して、子ども一人ひとりの発達を深く見つめなおし、豊かに育つための応援ができるように、理論と実践を結びつけながら乳児保育の共同研究を行ってきました。今年度も、昨年度の実践研究の成果をもとに、専門的な視点も加えながら乳幼児期の発達保障について考え合っていきたいと思います。

この会は、新人も若手も中堅もベテランも誰もが、安心して心を開いて意見を言える場です。みんながキャリアや年齢に関係なくヨコのつながりをもって、子どものことについて話し合っていけたらいいですね。どうぞ、よろしくお願いします。

 

内容

1.『実践カンファレンス①0歳児保育について』白梅幼稚園より実践報告

 

2.研究会のテーマと報告者について(年間計画)毎回、2園から実践を報告していただく予定です。

(1)主に0歳児~2歳児までの身体的・情緒的発達を相互に関連づけて、発達の節をしっかりと押さえながら、その子の今の育ちを丁寧にみていく。

→発達の指標は、一人の子どもの育ちや思い、願いを理解するための手がかりになります。人間の発達の道筋、見通しを理解しておくことによって、その子の「今」の幸せを最大限に保障できるようになります。

(2)発達に応じた関わり(甘え、下支え、励ましなど)や生活、遊びの環境の再確認

→どの子も自ら育とうとする力をもっています。生まれた時から自ら選んで生きようとする力をもっています。大人はそれにどれだけ気づけるか、自分の関わりをどれだけ振り返られるかがカギになります。

(3)日常の保育や子どもへの関わりをもう一度、丁寧に、深く見直していきましょう。

 

以上の視点から、食事、睡眠、排泄、あそび、わらべうた、集団づくり(こども同士の関係づくり)、記録・計画など、0,1,2歳児期の保育について話し合い学び合って行きたいと思います。

 

 

※参考2018年度の研究会一覧(毎月1回 水曜日14:0016:00

 

4月25日 メンバー紹介、共同研究計画、情報交換

『保育の悩みを話し合おう!①:2歳児の遊びについて』(報告:みいな保育園)

 

5月30日『子どもの睡眠について~保育の中でできることとは?~』

(講師:熊本大学名誉教授 三池輝久氏)

 

6月27日『実践カンファレンス:保育の悩みを話し合おう!②』

*さくらんぼ保育園(0歳児)*ひまわり保育園(1歳児)*白梅幼稚園(0、1歳児)

 

7月18日『実践!わらべうた』(講師:小さな森の保育園)

 

8月22日『胎児からの進化をたどるリズム運動』(講師:尚絅大非常勤 相澤幸代氏)

 

9月3日(月)『胎児からの口の育ちと全身の健康』

(講師:ゆきデンタルクリニック院長矢島由紀氏)

 

10月24日『実践カンファレンス:保育の悩みを話し合おう!③』

*はつの・あそびの森のこども園(0、1歳児)*カトレア保育園(0歳時)

 

11月28日『実践カンファレンス:保育の悩みを話し合おう!④』

*尚絅附属こども園(0〜2歳児)*おひさま保育室(0、1歳児)

*とことこ保育園、みいな保育園、ことな保育園(0〜2歳児)

 

12月19日『実践カンファレンス:保育の悩みを話し合おう!⑤』

*白川保育園(0歳児)*長嶺かるがも保育園(2歳児)

 

1月30日『実践カンファレンス:保育の悩みを話し合おう!⑥』

*ルーテル学院幼稚園(0〜2歳児)*北合志保育園(0、1歳児)

 

2月20日『実践カンファレンス:保育の悩みを話し合おう!⑦』

*はけみや保育園(1歳児)*小さな森の保育園(1歳児)

 

3月20日『実践カンファレンス:保育の悩みを話し合おう!⑧』

*あゆみ保育園(1歳児)*はけみや保育園(5歳児)

 

今年度もみなさんのご意見から研究会のテーマや日程を決めて行きます。

 

【以下、第1回の内容を報告します】

2018年4月24日(水)に、第1回乳児保育研究会を開催しました。本研究会は今年で5年目を数えます。今年度も初回から大変多くの現場の先生方に参加いただきました。様々なテーマのもと、現場の保育者同士での活発な意見交換を通して、明日への活力につながるような研究会となればと考えています。どうぞ一年間よろしくお願いいたします。

さて、今年度初回の研究会では、年間計画やテーマ、報告者などを確認すると同時に、さっそく認定こども園白梅幼稚園の宮内先生から0歳児クラスでの日々の実践と悩みについて報告をしていただきました。

宮内先生のクラスには、抱っこが“しっくりこない”子どもがいるとのことです。まだ慣らし保育が終わったばかりで不安や緊張をしているのは当然とも言えますが、保育者が抱くと首や肩がこわばるのが伝わり、強く反り返って嫌がるとのことでした。そして、家族からは、「抱き癖をつけたくないからなるべく抱っこしないでほしい。」とも言われたそうです。保育の中では、積極的にマッサージなどを取り入れて、心と身体の緊張をほぐそうとされているとのことでしたが、保護者・家族との関わりについては、まだ悩んでいるとのことでした。

参加者同士の話では、様々な話題がありましたが、まず、マッサージや抱っこの仕方について、「手や足などの四肢については、手足の平など末端のみをほぐすのではなく、繋がっている肩甲骨やお尻・股の付け根などから徐々に末端にかけてほぐしてあげるとよい」、「抱っこの仕方も、とにかく丸く丸く意識すること。抱っこしたときには、お尻よりも膝を高くしてあげて」等のアドバイスがありました。最近の子どもは、いわゆる縦抱きに慣れてしまっている子どもも多いと聞きます。抱っこ紐も大人の肩や腰が痛くなりにくいということから大人にとって便利な商品が広く普及していますが、その抱っこ紐を使用した場合、自らの筋力を使うことなく子どもの手足がダランと伸びてしまい、常に背中が立っている状態になっている(丸くなれない)といった弊害もあるようです。また、寝るときの姿勢についても、なるべく母胎内でとっていた姿勢のように丸く寝られるようクッション(浮き輪も効果的だそうです!)などを使い身体が反らないようにしてあげるのも効果的とのことでした。

また、子どもの庭状況については、母親が一家の大黒柱として家計を支えているため、祖母も孫とはいえ体力的にもきつい面もあるのではないかという声が出されました。「抱き癖をつけたくない」という言葉の裏には、もしかしたら「おばあちゃん自身がつらい」というサインもあるのかもしれません。「そのおばあちゃんの気持ちにも寄り添ってあげたい」という声も挙がりました。さらに、母親も家族の生活を支えるために、仕事に一生懸命にならざるを得ない状況も踏まえ、まずは「子どもが保育園で生活している時間は、保育者がじっくりとかかわり、自分を解放できる環境をつくってあげること」、「園で頭と身体と心をしっかりと使い、色々な経験をすることで夜ぐっすり眠るという生活リズムを目指してもいいのでは」という意見も出ました。このことが、子どもの安定感や保護者の安心感にもつながると考えられます。慣らし保育も終わったばかりのため、母子(祖母)共に、園や保育者との関係性を丁寧に積み上げていくことが大切であるとの確認を全員でしました。

宮内先生は最後に、「マッサージの仕方等いろいろなアドバイスを貰えたので、明日からまた実践していきたい。そして焦ることなく、じっくりと祖母や母親とコミュニケーションを取っていきたい」と話されていました。

スタートとなる一回目の研究会から、さっそく学びの多い充実した回となったように思います。また1年間よろしくお願いします!(文責:二子石諒太)

 

*次回の研究会は、6月26日(水)14~16時、尚絅大学武蔵ヶ丘キャンパス 管理棟2階

尚絅子育て研究センターで、実践カンファレンスを行います。

『2歳児』報告:北合志保育園・『1歳児』報告:ひまわり保育園からの報告です。

 

*乳児保育研究会終了後は、16:00~17:00まで、「保育café」をOPENしています。

お茶を飲みながら、ザックバランに保育のことを語り合いましょう!

お問い合わせ先:096-338-8840 メール:kosodate@shokei-gakuen.ac.jp、担当:増淵

 

 

 

報告者の宮内先生(右)です
初回からたくさんの意見が出されました!

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