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【尚絅子育て研究センター】第9回 乳児保育研究会を開催しました!

 新年明けましておめでとうございます。昨年も皆様には研究や実践教育・学習の面で大変お世話になりました。本年も変わらずご支援いただけますようお願いいたします。

 さて、平成29年最後の12月20日(水)に第9回乳児保育研究会を開催しました。年末の押し迫る時期にたくさんの保育者の皆さんに参加いただくことができました。今回のテーマは『遊びについて』です。まず、ことな保育園の新人である安永先生から1歳児の遊びについて報告がありました。ことな保育園は、小規模な保育園で幹線道路が近くにあり、車の通りが激しいため、お散歩に行く回数が限られ、冬場はとくに室内遊びが多くなっているそうです。0歳児~2歳児までの異年齢で過ごす保育室は、ワンフロアを区切ってそれぞれの発達に応じた生活や遊びができるように工夫しているそうです。安永さんは、外で体を動かす機会が少ない分、室内でも全身を使った遊びをしたいと保育を計画しているそうです。また、お散歩をする中で子どもたちが発達している姿をとらえ、それを室内遊びに取り入れるなどの取り組みもしています。たとえば、縁石を歩くのが大好きな子どもたちの姿から室内でも平均台を出して見たて・つもりの世界で子どもが楽しい、してみたいと思えるような保育をしたいと願っているそうです。しかし、子どもたちみんながその遊びに集まらないこともあり、どうしたら子どもたちが楽しんで遊びが盛り上がっていくかというのが今の悩みのようです。

 この安永さんの悩みに対して、参加者からは、「1年目でよく頑張っている。子どもたちをまとめなければとは思わなくていいと思う。」「3歳未満児の子どもたちにとっては、まず自由に動ける環境をつくることが集団づくりの第一歩ではないか。」「私も今までいろいろ失敗してきたけど、いろいろと試してみると子どもたちが食いついてくる遊びが必ずあるし、繰り返して行うことで反応も変わってくる。」「全身運動を意識しているのであれば、リズム運動を毎日、短時間でもすると子どもの姿が変わってくる。」など、たくさんの意見を出していただきました。3歳未満児の保育では、まず子どもたちが安心して過ごせる空間とおとなとの関係が軸になります。その軸がしっかりとしたものになることによって、さらに異年齢で過ごす利点を生かして、お互いの遊びに興味を示し関わり合えるような環境づくりも意識できると、保育室全体が楽しい雰囲気になると思います。本学の卒業生である安永さんが懸命に子どもの育ちを考えながら保育を創造しようとしている姿に、メンバーの皆さんからたくさんのエールもいただき、養成の立場としてもとても嬉しく感じました。

 2つ目は、本学附属こども園の横山友先生から0歳児の遊びについての報告でした。横山先生は、0歳児の遊びについて、「与えられるものではなく、成長の過程で子ども自らが生み出し始めるもの」ととらえ、子どもたちが自ら遊びを見つけて没頭していくような環境づくりに取り組んでいるそうです。附属こども園には、広い園庭にたくさんの草花や木々があります。0歳児の子どもたちもそのような大地に身を置いて、自然と一体となりながら自分の興味や関心に誘われながら遊びをつくっています。そのような姿を最大限に保障しながら、子どもたちがことばを発したくなるような環境構成を考えたり、園庭で経験した遊びを室内でも生かせるように工夫をしているそうです。この時期、表象も少しずつ成立してくる子どもたちもいます。子どもたちが遊んでいる姿を撮った写真を保育室に張り出してみると、指差しで保育者に語りかける姿が見られるそうです。また、自分たちが拾ってきた落ち葉や小石などを小さな透明の容器(ボトル)に入れ、室内でも覗きこんだり、ふったりして遊ぶ子どもたちの姿もあるそうです。

 参加者からは、感触遊び「やいないいないばあ」などの触れ合い遊び、トランポリン(エアプリン)など、さまざまな室内遊びの紹介がありました。そして、遊びを考える上で大切なこととしては、その子が興味をもっていることは何かを知ること、一つの遊びでもいろいろな遊び方があっていいということ、子どもたちが自ら遊びを見つけられるように環境を工夫することなどが意見としてあげられました。各園の事情によって散歩や外遊びの条件が限られている場合もありますが、わずかな時間でも自然や外界と触れ合う中で、さまざまな発見や感動を子どもたちと共有したいものですね。今回の報告の中でも、保育者の子どもの発達保障への願いが実践の中に込められていました。保育現場の皆さんと語り合い、考え合う中でさらに保育の楽しさ、奥深さを感じることができました。次回も皆さんと共に学び合いたいと思います。ありがとうございました!!

(文責:増淵千保美)

先輩に励まされ報告する安永先生(左)
メンバーからも活発な意見が出されました
ご自身も附属出身の横山先生
具体的な実践をもとに考え話し合いました!

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