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【幼児教育学科】ピーク制:増淵ゼミ 「里山の保育園で焼き芋パーティー!」

11月14日(土)
ゼミの学生6人とともに山都町立白糸保育園におじゃまし、園庭で行われた焼き芋パーティーに参加させていただきました。当日は、同町立矢部同和保育園の子どもたちも加わり、にぎやかな一日となりました。

 はじめに両園の子どもたちと学生が挨拶をかわすと、さっそくたき火のための杉の葉拾いをしました。学生たちは子どもたちに手を引かれて里山に入り、一緒に杉の葉を拾い集めていくうちに、すっかり子どもたちと仲良くなり、表情もやわらかくなってきました。

 たき火をおこしている間に、今度は、濡れた新聞でさつま芋を包み、その上からアルミホイルを巻いて焼き芋の準備をしました。学生たちは、ついつい手を出してしまいそうになるのをぐっと我慢して、子どもたちの「自分でやりきる」力を見守っていました。子どもたちがどんどん意欲的に芋を巻いていったので、あっというまに準備は終わり、次にお米を炊くための火つけを行いました。焼き芋用のたき火から火種をもらい点火。その後に、子どもたち一人ひとりが火吹き棒で「フーー」と空気を送り込んでいくと、炎は勢いよく燃え上がりました。本当は、この火吹き、1~2回でよいそうですが、これも経験。子どもたち全員で、さらに学生たちまで体験させてもらいました。学生たちも子どもたちとともに、ワクワクしながら楽しんでいる姿が見られました。

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 そのうち、お米を炊いている釜がふいてくると、子どもたちの間からこんなやり取りも聞こえてきました。

 子ども「わ~白いのがふきだしてきたよ~。」
保育者「あれは、ふきだしてきてもええんよ。『赤子泣いてもフタとるな』って昔から言うんよ。」
別の保育者「あっ、なんか音が聞こえてきたよ」
子ども「あっ、あかちゃんのなきごえみたいなのがきこえてきた~」
保育者「あ~、あかちゃんの泣き声みたいだね~」
子どもたち「ほんとだ!」「ほんとだ!」

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 その後、ほっかほかの真っ白い炊きたてのご飯を一口ずつ食べさせてもらった子どもたちは、「わ~おいし~」「あま~い」と、とっても嬉しそうでした。その中で、発達のゆるやかな子も、お友だちがおいしそうに炊きたてご飯をほおばる様子をみて、自らも手を出してそのご飯をもらおうとしている姿がありました。そして、それに寄り添う保育者と子どもたち・・・。自然の中で、仲間の中で育ち合うというのはこういうことなのかと感じた一場面でした。

 今回、訪問した白糸保育園は、公立保育園の統廃合のために今年度で閉園するそうです。周りは山に囲まれ田畑が広がり、豊かな自然に恵まれています。その条件を最大限に生かしながら里山で保育を行ている白糸保育園。この保育環境がなくなってしまうのは、大変惜しまれます。

 しかし、在園している子どもたちは、元気一杯で、子どもたち自身で遊びをみつけ出し、考え、工夫していきます。その姿は、小さな科学者のようにも見えます。自然との対話は、発見の連続で、子どもたちの不思議こころをかきたてます。そして、子どもたちは仲間の中で「マネ」ながら「自ら学ぶ」ことを自然と身につけていくのです。

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 かたわらにいる保育者は、そんな子どもの成長を支えていくために、日々「子どもの姿から保育をつくる」ことを意識して、保育を振り返るために職員同士で学習を深めています。午後からの学生との学習会でも、「今日は、焼き芋パーティーの会を進めていくために、いつもより口出しが多かったので反省しました。」と、ある先生はおっしゃっていましたが、私たちから見ると、子どもたちには指示・命令ではなく、「これは、どうしたら○○になるかな?」「この次はどうしたらいいんだろう?」と、必ず子どもたちに問いかけていました。このような言葉のかけ方一つにも、子どもが自ら育つための保育の考え方がしっかり息づいているのだと、学生たちとともに学ばせてもらいました。

 保育者の皆さんは、「子どもたちに本物を伝えたい。」「事実をもって考えられるように育てたい。」「まずは自分でやってみることを大切にしたい。」と、0歳からの全面発達保障をめざして取り組んで来たそうです。学生たちは、そんな保育者の実践報告からも学ばせていただき、一人ひとりが感想や質問を述べました。周りの先生方からは、「5月に学習会を開いた時よりも、しっかりした意見が言えるようになったね。」「堂々としてきて成長したね。」と、お褒めの言葉もいただき、学生たちも徐々に自信がついてきたようです。

 あと5ケ月で保育現場に出ていく彼女たちは、これからゼミ論文の作成に取り掛かります。これまでの現場からの学びをどれだけ盛り込んでいけるか、今から楽しみです。今回も事前準備から当日のパーティ、学習会まで本当に現場の先生方にお世話になり、感謝の気持ちで一杯です。この学びをぜひ、これからも生かしていきたいです。

 ありがとうございました。

幼児教育学科 増淵千保美

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