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お知らせ 幼児教育学科

【尚絅子育て研究センター】公開シンポジウムが開催されました

8月2日(日)
お天気にも恵まれ(去年は台風の心配もありましたが)、保育者をはじめとする専門職や行政関係者、市民など約180人が集い、公開シンポジウムを開催することができました。参加して下さったみなさん、ありがとうございました!

はじめに、脳科学者であり小児科医でもある文教大学の成田奈緒子先生から、『脳科学からみた子育て~子どもの育ちの根底にある大切なものって?~』というテーマでご講演をいただきました。

脳の育ちを3つの機能(からだの脳、「お利口さん」脳、こころの脳)に分けてわかりやすく説明したいただき、乳幼児期にもっとも大事なからだの脳に焦点を当てながら、早寝早起き、朝ご飯の重要性を症例を交えてお話いただきました。そして、いわゆるお勉強する「お利口さん」脳も心の脳も、この土台となる脳が十分発達していないと、育たないということで、脳の発達にも順番があることを教えていただきました。

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保育者や子育て中の方など多数の方々にご来場いただきました。

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子育て研究センター長・増淵よりごあいさつです。

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成田先生の講演はとてもわかりやすく、楽しく聞ける内容でした。

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講話のあと、もう少し先生に聞きたいと会場からの質問もありました。

後半のシンポジウムでは、白山幼稚園の山本直美先生から、保育参観のあり方を見直し、保護者に保育を開いて共に子どもを育てていくという保護者支援について報告していただきました。さらに、ひまわり保育園の西冨ひろみ先生からは、乳児への保育の様子やや2~5歳の異年齢の「おうち」でのくらしを紹介していただき、子どもたちが安心して過ごすことができ、保護者と共感できる保育をめざして、その思いを語っていただきました。

 成田先生からは、「保育・教育現場では、保護者の就労形態もさまざまになり、一様に睡眠の大切さを強調するだけでは伝わりにくい部分もあるが、子どもたちの育ちにとっては基本的なことであり、とても大切なことであるから、信頼関係を築きながら日常に踏み込んで伝えていく努力も必要」というコメントをいただきました。

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白山幼稚園の山本直美先生

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ひまわり保育園の西冨ひろみ先生(写真右)

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成田先生からもコメントをいただきました。

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参加者からもコメントや質問が寄せられました。

 参加者のアンケートでは、保育者から「基本的なことを知って、もっと日常に踏み込んでいくということの大切さを痛感しました。」「睡眠の重要性を改めて知りました。でも現実の今の自分の生活、保護者の様子を見ていても理想的な睡眠時間を確保するのは難しいと思います。できるところからと思いますが、社会の仕組み、女性の働き方などの見直しから考えていかなければいけないと改めて感じました。」「自分も保育士として働きながら子どもを育てていて、働くことと子育てで精一杯なのが現状です。睡眠がとても大切ということを学ばせていただき、もう一度、自分の子育てを見直し実践していきながら、また保護者の方にも伝えて一緒に考えていきたいと思いました。」「他の園の先生方の話を聴き、共感する部分も多く参考にさせていただこうと感じました。そして自分も頑張らなければと感じました。」などなど、多数のご感想をいただきました。

 また、一般市民の方からも「我が子は発達の課題をもっていますが、成田先生のお話からも、まずはからだの脳をつくることから始まり、こころの脳ができていくことを伺い、とても大切にして関心やこだわり以外のことにもより広く楽しめる子に育つよう、共に楽しく生きていきたいと思います。対談でも特別支援の事例を紹介いただき、うれしく思いました。共感、共育ての輪が広がることを願ってやみません!」と、メッセージをいただきました。

 今回は、時間の都合上、成田先生のお話は、睡眠と食事に焦点を当てていただきましたが、実は脳育てに「じゃれつきあそび」や「リズミカルな運動」も大切な要素としてあるそうです。これらの課題は、来年度の公開シンポジウムに引き継ぎながら、今後もみなさんと学び合い、深め合っていけたらと考えております。また、「こんな企画をしてほしい」というご要望がございましたら、ぜひ、ご連絡下さい。みなさんと一緒に学び合いの場をつくっていけたらと願っております。

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