お知らせ 食物栄養学科
【食物栄養学科】菊池教授及び原田講師らの論文が学術雑誌に掲載されました。
本学科の菊池秀彦教授及び原田香講師、宮崎大学医学部、大分大学グローカル感染症研究センター及び川崎医科大学の研究者からなる研究グループは、ウマノスズクサ科植物に含まれるフィトケミカル(植物性生理活性物質)の一種であるアリストロキア酸がヒト白血病細胞の細胞死や活性酸素産生能に及ぼす影響を解析しました。その結果、アリストロキア酸誘導体の一つであるアリストロキア酸Cがヒト白血病細胞に対して毒性を示し、さらに活性酸素産生能を強力に増強することを見出しました。
アリストロキア酸はウマノスズクサ科植物の毒性成分であり、ヒトに対して重篤な腎障害を引き起こしますが、白血球に及ぼす影響についてはほとんど解明されていませんでした。本研究成果が、アリストロキア酸の毒性の発症機序の解明や医療分野での活用に繋がることを期待しています。
余談ですが、アリストロキア酸はジャコウアゲハ(記事の最後に著者宅で羽化したジャコウアゲハの写真あり)の防御物質としても知られています。ジャコウアゲハの幼虫はウマノスズクサを摂食してアリストロキア酸を体内に蓄積します。これにより、ジャコウアゲハは鳥等からの捕食から身を守っていると考えられています。
本研究成果は、2024年8月6日に日本毒性学会が発行する英文学術雑誌Fundamental Toxicological Sciencesオンライン版で公開されました。
*著者:Hidehiko Kikuchi, Kaori Harata, Harishkumar Madhyasta, Hitomi Mimuro and Futoshi Kuribayashi
*論文題目:Aristolochic acid C displays cytotoxic effect and remarkable enhancing effect on the all-trans retinoic acid-induced superoxide-generating ability in U937 cells
*掲載雑誌等情報:Fundam. Toxicol. Sci., Vol. 11 (4), pp.197-204, 2024
*オンライン版のURL:ja (jst.go.jp)https://www.jstage.jst.go.jp/article/fts/11/4/11_197/_pdf/-char/ja
*本論文はOpen Accessとなっておりますので無料で全文読むことができます。