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お知らせ 文化コミュニケーション学科

【現代文化学部】ゼミ紹介⑦「武田ゼミ」

武田ゼミが今期取り上げる作品は、『太平記』という、南北朝時代の動乱の時代を描いた作品です。この中でも特に肥後の国(熊本県)の代表的な武士、菊池氏の活躍について分担して読み解いていきました。

菊池氏は裏切らない、信頼のおける武士としても定評があります。そのきっかけを作ったのが菊池家12代菊池武時でした。武時と武重親子の今生の別れの場面、いわゆる「袖ケ浦の別れ」です。

武時は、後醍醐天皇の勅命により鎌倉幕府の鎮西探題を攻める際に、味方の裏切りにあいます。討死を覚悟した武時は、共に戦うと主張する子の武重に、故郷に帰り再起を期す事を命じ別れたのでした。そして菊池一族はこれ以降も終始、後醍醐天皇方として戦い続けます。

この出来事を包装紙に印刷して菊池市で製造しているお菓子があります。菊池市の銘菓「松風」です。「ふるさとに今宵ばかりの命とも 知らでや人の我を待つらむ」という和歌も、残された家族の気持ちも考えさせられます。

「松風」の包装紙は、単に武士の絵が描いてあるだけの紙ではなく、もっと深い背景がある、軍記物語一巻にも相当する内容を含んでいます。遠い歴史の出来事が意外と身近な場所にあることに気づいてもらうのも、この授業の目的のひとつです。

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