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文化コミュニケーション学科からのお知らせ

【現代文化学部】教員の研究紹介「図書館の役割と必要性を考える」桑原芳哉教授(図書館情報学)

県立図書館や市立図書館などを利用する際には、入館料や貸出料を取られることはなく、誰でも無料で利用できます。これは、「図書館法」という法律で「公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない。」と定められているためです。この「図書館法」は、1950(昭和25)年に作られた法律で、それ以前は日本でも図書館の利用に入館料などを取るところもありました。「図書館法」の制定により、経済的な事情に関わらず、どのような人でも読書や学習のために図書館を利用することができるようになったのです。公立の図書館には、広くさまざまな人に、読書や学習の場を提供するという、大きな役割があります。

昨年からの「コロナ禍」の中で、感染防止のために長期にわたり公立図書館を休館とする自治体が多くありました。図書館の長期休館について報じる新聞記事には、次のような言葉がありました。「不要不急の施設か?」…。確かに、図書館は人間の命に関わる施設ではないという点で、「不急」ではあるかもしれません。しかし、決して「不要」な施設ではないはずです。

図書館の「必要性」という点に関して、図書館の「評価」をどのように行うか、という研究課題があり、長年にわたりさまざまな研究成果が発表されています。図書館の「評価」というと、本の貸出や来館者数が多いかどうかなど、表面的な数字だけで見られがちですが、利用者が図書館から受ける「恩恵」や「効果」は多様であり、それらをどのように評価するかが課題です。

熊本県内では、町村で公立図書館を設置していない自治体が多く残っています。熊本県内の町村の図書館設置率は39%で、九州各県では最下位、全国でも下位に位置します。公立図書館未設置の町村にも、公民館などの生涯学習施設に図書室が設けられている例が多く、読書や学習の場が全くないわけではありませんが、都市部に比べて十分とは言いがたい状況と考えられます。

できるだけ多くの人に、公立図書館を利用する機会を保証することができるよう、図書館の必要性を考察し示していくことが大きな研究課題であり、図書館の「評価」や住民の要望など、多様な視点から研究を続けています。

コロナ禍でのある図書館での
休館の掲示
小国町図書室の建物

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