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【尚絅子育て研究センター】報告:第5回、第6回乳児保育研究会を開催しました!

 10月27日(第5回)、翌週の11月4日(第6回)に、乳児保育研究会を行いました。第5回目は、小規模保育事業を運営している松本佑梨さんから「発達の凸凹から豊かな育ち」というテーマについて報告していただきました。本園では、「子どもが大好きでプロフェッショナルな保育士が愛情いっぱい注ぎ、愛される人になるべく『生きる力』『人間力』にかえる保育」を理念として、人生の土台作りにもっとも重要な乳幼児期を大事にし、一人ひとりをしっかり抱きしめ、丁寧な言動で接し、ふれあいを大事に保育をしているそうです。

 その中で、子どもたちの気になる凸凹もあります。たとえば、もっとも基本的な寝る、食べる、排泄といった生活習慣の獲得、歩行、ずりばい、ハイハイなどの身体的な発達、言葉、理解力、落ち着きなどの精神的な発達、そして遊び・・・。今回は、心身の成長に必須の「食べること」に焦点を当てながら事例も紹介していただきました。近年は、育休開けの1歳からの入園も増えており、「0歳児期の家庭での様子や離乳の状況などをよく把握し、園でもその子のペースで意欲を引き出しながらかかわっていくことの大切さ」が話し合われました。また、「子どもにとって『食べる』ことが『楽しい』と思えるようになるには、保育者との信頼関係や遊び込める環境、仲間の存在も大きい」という保育全体のあり方についても意見交換がありました。

松本さんは、事例検討を通して「保育園という集団の生活を経験することによって、本人の経験値があがり、出来る事が一気に増え、成功体験として良い刺激と学びとなって成長していったと思う」、「乳児期の関わり―見守り・手をかけ・手間をかけて―育ちを援助していくことに保育士も喜びとなった」と、振り返っていました。こうした保育の振り返りが、次の実践や保育の質の向上に繋がっていくのだと私たちも学ばせていただきました。

第6回目は、事業所内保育所で1・2歳児を担当している大石八重さんから、「6ヶ月か過ぎて・・・~私の保育の振り返り~」というテーマで報告していただきました。大石さんは、4月からの子どもたちの様子を見て、「早く我を出せるよう気心のしれた関係をつくれるように」と保育をすすめてきました。そして、「あまり細かいことは言わず、危険を伴うこと以外は注意することを避け、お散歩、ごっこ遊び、どろんこや水、感触あそびなど、いろんな楽しい遊びを提案し、子どもと一緒に楽しく遊んできた」そうです。

とくに、場面記録の検討では、「この時の保育者の気持ちがよくわかる」「子どもたちの生活のリズム(就寝時間等)も関係しているのでは?」「1歳の時の様子は?」「長年保育をしていると、つい知らず知らずに子どもをまとめてしまいがちになり、子どものありのままの姿を引き出せていなかったことに気づかされたことがあった」など、メンバーの保育経験をもとに質問や意見を活発に交流させることができました。また、「うちの園でもこうやって振り返っていきたい」「写真をつかった場面記録もありますよ」と、実践の振り返りの方法についても話が広がりました。

 現在のクラスの子どもたちは、夏頃から自分を少しずつ出せるようになり、徐々に友だちを意識し、友だちといっしょにすることが多くなってきたそうです。また、最近では、力を合わせてひとつの物を作ったり、バケツリレーみたいなことをして、2歳児を中心に自分たちでごっこあそびをしている姿もみかけるようになったそうです。「しかし、だからといってこれで終わりではなく、後半期は子どもたちの気持ちを受け止めながらも、子どもたちが自分で気持ちを切り替えたり、立ち直れたりできるよう働きかけていこうと思います。」と、大石さんは次なる実践課題を明らかにしていました。今後も、様々な視点や角度から、乳児保育についての実践的な研究を深めていきたいと思います。

 次回は、12月2日(水)14時~16時です。関心のある方は、ぜひご連絡下さい!

尚絅子育て研究センター長 増淵千保美

 

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