お知らせINFORMATION

お知らせ 幼児教育学科

【幼児教育学科】【尚絅子育て研究センター】新任保育者の成長に向けた環境づくり」講演会&セッションを開催しました! ~認定こども園 せんりひじり幼稚園(大阪府豊中市)に学ぶ~

 桜のつぼみも大きくふくらむ3月、いよいよこどもたちを新たな世界に送り出す季節となりました。ご卒園おめでとうございます。そんな年度末の3月19日(日)に100名近い参加者が集い、「新任保育者の成長に向けた環境づくり」の講演会とセッションを開催することができました。この講演会は、文部科学省「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)」の一環として行われたものです。


はじめに尚絅子育て研究センター研究員である幼児教育学科の教員で組織された「早期離職予防プロジェクト」の取り組みについて説明を行いました。そして、大阪府北部にある幼保連携型認定こども園せんりひじり幼稚園での研修の様子を中心に、新人保育者が保育に対する自信を身につけながら成長していくプロセスについて3人の講師の先生方からお話いただきました。

 せんりひじり幼稚園では、日々の保育を丁寧に振り返り、こどもの理解を深めつつ、保育観を共有しながら、それぞれの保育者がやりがいをもって保育を行える職場環境づくりに取り組んでおり、その実際を副園長である安達かえで先生より詳しくお話いただきました。先生方は、様々な関わりの中でこどもの自己肯定を育み、主体的な活動を通して非認知能力が育つことを大切にした保育を展開しているそうです。そのこどもの育ちや姿から保育を考えていくために、副園長先生はこども理解のための園内研修を様々な手法を使って実践し、新任の育成のための環境を整え、保育者が主体的に伸び伸びと保育を行える園を意識した運営を行っているそうです。


また、当時3歳児クラスの学年主任で新人教育の担当者となった山中友里先生や、当時3歳児担任の新人保育者であった浪岡ふじ恵先生からは、日々の保育の様子もご紹介いただき、せんりひじり幼稚園で取り組まれている新人の教育課程をもとに、その経験を踏まえて、やりがいを感じる職場のあり方についてお話いただきました。たとえば、毎日の保育を振り返る際には、口頭でのやり取りだけでなく、良かった点、反省・課題点などを記入した保育ノートを交換日記のようにやり取りする中で、先輩・後輩の信頼も深まり、先輩からの助言に加えて新人保育者みずからも自分の保育に多くの気づきを得られるようになり、共に成長していく関係を築くことができたそうです。他にも会議などで必ず自分の意見を伝えられるように付箋紙にそのキーワードを書き、職員同士が先輩・後輩関係なく話し合っていけるための手法もご紹介いただき、こどもの豊かな成長を保障するために、一丸となって取り組んでいる様子もよく分かりました。お話を聴いている中で、「こども理解」が深まり保育の方法も子ども主体で進めていくことによって、こどもに向ける眼差しも変わり、さらに職員間で向ける眼差しも変化してくるのではないかと感じました。

 また、離職理由の上位に上げられている保護者への対応についても、毎月、こども一人ひとりの園での様子をお知らせするために、ポートフォリオを用いて保育を開いていくことにより、親のこどもへの眼差しも変化していき、保育者への信頼も厚くなることがわかりました。やはり、どの場面でも「顔の見える関係でつながり合うこと」が大切です。セッションでは、園長・副園長・主任・保育者の各グループに分かれて、日頃の悩みや改善課題について話し合いました。さまざまな意見が活発に出て、有意義な時間となりました。私たちも熊本の地で、多くの保育現場とつながりながら、この新任保育者の成長にむけた環境づくりに取り組みたいと思います。そのことが、こどもが自から育つことができ、親にとっても子育てしやすい環境にもつながっていくのではないでしょうか。講師の先生方、連休の狭間の貴重なお時間に参加してくださった皆様、本当にありがとうございました!

(文責:増淵千保美)

その他のお知らせ