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【尚絅子育て研究センター】第11回乳児保育研究会を開催しました! 「睡眠について②」

第11回乳児保育研究会を開催しました!
「睡眠について②」

2018年2月14日(水)に、第11回乳児保育研究会を開催しました。今回は、「睡眠について(2)」をテーマに、おひさま保育室の村上先生と、なぎさこども園の岩下先生から報告をしていただきました。

まずはじめに、村上先生の報告では、午睡の時間が短く、また家庭でも十分な睡眠時間が確保できていない様子の子どもに対して、身体をなるべく丸くして寝ることができるようにとハンモックを活用しているという話をしてもらいました。主に眠りが浅い子どもや、睡眠のリズムづくりが必要な子どもが使っているそうですが、その他にもリラックスして気持ちの切り替えをしたい時なども活用しているとのことでした。ハンモックで寝ることの効果としては、自然と身体が丸くなり顎が引かれているため呼吸がしやすく、深い眠りにつながるそうです。ハンモックを活用しながら睡眠のリズムを整えていくことで、徐々にではありますが、布団に移行してぐっすりと眠ることができるようになったとのことでした。

他の参加者の園では、寝付きが良くない子どもに対しては担当制を取り入れながら、子ども一人ひとりの癖や寝る時の好きな姿勢の把握など家庭の生活状況を踏まえて対応しているという声が多くありました。私たち保育者にとってまず第一に考えたいことは、しっかりと目線を合わせながら保育者の膝の上でスキンシップを取ることや、普段の遊びや生活の中で上向き遊びを充実させることで心地よい信頼関係をつくっていくことです。その上で、睡眠に関する正しい理解や知識のもとにハンモックなどを有効活用していくことで、子どもが安心して眠ることができるのだと改めて感じました。

次に、岩下先生の報告では、これまで園内研修等を重ねて職員間で考えてきた睡眠の在り方について説明をしていただきました。なぎさこども園では、園での集団生活のリズムではなく、子ども一人ひとりの睡眠リズムを大切にしたいという思いから、午前睡や午睡について考えてこられたそうです。具体的には、保護者に対して睡眠の大切さをクラス便りや手紙で丁寧に伝えたり、起床が遅くなった子どもでも美味しく食べられるような給食作りに取り組んだり、さらには、入睡や起床のタイミングを一律に起こしてしまうのではなく可能な限り子どものペースに合わせるなど工夫をされてきたとのことでした。

また、現在、園で検討しているという午睡の選択制の試みも話題となりました。現段階では、3歳以上児クラスにおける試験的な取組みとのことですが、子どもや保護者に午睡をするかどうか選択をしてもらうというものだそうです。この取組みは家庭での夜間の睡眠時間の実態を受けて考えられたものだそうです。研究会の他のメンバーからは、「午前睡を無理に起こさないこと、保護者へ睡眠の大切さを発信していく取り組みはこれからより重要になってくると思う。睡眠に対して園全体で学ぶ姿勢を見習いたい。」「午睡の選択制に関しては、夜に何時間寝たかということも大事だけれども、同時に、何時から何時まで寝ているかという点も大事だと思う。朝、日光をしっかり浴びて、日中に身体を動かすといった生活のサイクルや生き物としての体内時計の視点も取り入れて考えることが必要ではないか。」などの意見も出されました。これまでの研究会でもテーマとして取り上げながら、確認してきましたが、食事・睡眠・排泄は、相互に関連し合っており、その関係性を支えるものとして、保育の中での遊びがいかに充実しているかということが鍵となります。そのためには、保育者はそれらの基本的生活習慣と遊びを総合的にマネジメントし、24時間の生活を家庭と共にデザインしていく力が以前にも増して必要となっている気がします。今日の子ども達は、大人の生活時間や仕事の都合に合わせられた一日を過ごしていることが指摘されていますが、なぎさこども園の取組みからは、そうした現代の子どもの生活実態に寄り添いたいという思いが伝わってきました。

 今回は、子どもの健やかな育ちを保障するという養育者としての責任と自由や権利の保障という二つの観点の間で揺れ動く保育者の苦悩や、子どもたちの生活実態が改めて浮き彫りとなったような気がしました。そのことについて、共にじっくりと考え合うことができた有意義な時間となりました。

                  (文責:二子石)

次回の研究会は
3月14日(水)14~16時、「保育を振り返って(2)」
(報告:①チャイルドアカデミーつぼみ:0~2歳児、②ルーテル学院幼稚園2歳児)
をテーマに、参加者全員で自身の保育を振り返っていきたいと思います。

尚絅大学武蔵ヶ丘キャンパス 管理棟2階 尚絅子育て研究センター室にて開催いたします。

【お問い合わせ先】096-338-8840  メール:kosodate@shokei-gakuen.ac.jp(担当:増淵)

報告者の岩下さん
報告者の村上さん
今回も多くの学びがありました!

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