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【尚絅子育て研究センター】第10回乳児保育研究会を開催しました! 「かみつき」・「排泄」について

第10回乳児保育研究会を開催しました!
「かみつき」・「排泄」について

2018年1月24日(水)に、第10回乳児保育研究会を開催しました。今回は、北合志保育所の東先生から「かみつき」について、さつきヶ丘保育園の坂本先生から「排泄について」をテーマにそれぞれ報告をしていただきました。

東先生からは、かみつきが見られる子どもの姿について、クラスの他児たちとのかかわりの場面記録をもとに報告してもらいました。記録を取りながら理由を探っていくと、他の友達同士のトラブル場面に介入してかみつくといった正義感が強い側面や、家庭で過ごす時間の中でその子なりに我慢をしている様子が少しずつ見えてきたそうです。それを受けて、東先生は園生活の中でその子どもとの関係性をどう築いていくかについて特に悩まれていました。

研究会メンバーのそれぞれの園でのかみつきへの対策や対応については、「理由のないかみつきはない。かみつきにも色々原因があることをクラス通信などで保護者に発信している。」「うちの園でもかみつきがあるが、かみつく子どもこそじっくりかかわることを意識している。たっぷりと甘えられる存在がいるからこそ子どもの思いが満たされ、信頼関係ができていく。」「特に、週明けの月曜日にかみつきが起きやすい傾向にあると感じている。家庭で色々なことを我慢しているため園で発散している部分もあるのでは。」「私の園では、例えば、笛を首から下げて何かあったら子どもが吹くなど、かみつきに代わって気持ちを表現することができる方法を考えてあげている。」等といった声があがりました。

東先生は最後に、「保育中の自分は、かみつきが起こらないように目をギラギラさせていたと思う。」とも言われていました。メンバーから「子どもは保育者の目線を敏感に感じ取り、その保育者の期待(目線)に応えるようにかみつくことがある」という話も出ましたが、保育者が向けたい眼差しとは、かみつきが起きないように「監視する目」ではなく、子どもの言葉にならない思いを汲み取り、受け止め、その思いを言葉や目線で返してあげるという「共感の目」ではないでしょうか。

次に、さつきヶ丘保育園の坂本先生からは、一人ひとりに応じた排泄の在り方について、園の設備面の状況と共に報告をしてもらいました。まず設備面では、保育室とトイレの位置が離れており、子どもが行きたいと思った時に自由にトイレへ行くことが難しいという構造上の問題があるとのことでした。坂本先生は、本当は一律に時間で区切るのではなく子ども一人ひとりの排泄リズムを大切にしてあげたいという思いで悩んでおられました。

参加メンバーの園の中には、チャンバーポットを活用するなどして、その子どもが排泄したいと思った時にできるように工夫している園や、担当制で担当者が子ども一人ひとりの排泄リズムを把握すると共に、延長保育の担当にも必ず伝えているという園もありました。坂本先生も担当制の導入について今後職員間で検討していきたいと話されていました。

排泄について考える時は、まずは尿意・便意の感覚を自分自身が感じることが原則です。そして、前回の排泄について考えあった際にも話題になりましたが、園の職員や他の幼児たちが未満児の排泄することを喜ぶ雰囲気や環境を作っていくことも大切にしたいことの一つです。今回の報告からは、園内の限られた資源や条件の中で子どもの育ちに心を砕きながら努力を重ねている現場の保育者の姿が見えてきたように思います。

最後に、お二人の先生の報告に共通して言えることですが、一対一の時間を十分に取り、丁寧に信頼関係を築いていくことの大切さが改めて見えてきたような気がします。私たち保育者は、子どもとの信頼関係の大切さは自覚していますが、日常のふとした瞬間や何気ない場面を意識し直すことで、それが保育者と子どもの気持ちが繋がる貴重な瞬間となることを心に留め置く必要があるように思います。

今回も、参加者全員で学びを深めることができ、有意義な研究会となりました。  

(文責:二子石)

 

次回の研究会は、「睡眠について(2)」をテーマに考え合いたいと思います。

2月14日(水)14~16時、尚絅大学武蔵ヶ丘キャンパス 管理棟2階 尚絅子育て研究センター室にて開催いたします。

お問い合わせ先:096-338-8840 メール:kosodate@shokei-gakuen.ac.jp、担当:増淵

 

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